バカな私は嘘つきで。
「「さようなら」」
気がつくと、もう放課後だった。
みんなは、それぞれの部活の準備や帰る準備をしている。
ちなみに私は、部活に入っていない。別にやる気がないからとか、そういう意味じゃないけど、単に入りたくないだけだ。嘘。
莉子は、テニス部に入っている。高2で、もう部長だ。今は夏でもあって、みんな汗をかきながら、熱心に取り組んでいる。……あ、陸上部の人転んだ。
ぼーっとしてる間に教室には、私と莉子しかいなかった。
「ゆみちゃん、何ぼーっとしてるん?」
「ちゃん付けは止めなさい」
「んー。じゃぁ、ゆみりん、何ぼーっとしてるの?」
「だから……「ちゃん付けしてませんよ」
私は莉子にムッとした顔をした。すると、莉子は、
「すいません。ふざけました!」
「いやいや。本気で怒ってないし(笑)」
「そっかぁ。じゃぁね」
そういうと、莉子は教室を出て行った。
話している途中で、じゃぁねって……。
私はニヤニヤしながら、窓の外を見た。
莉子が走っている。……あ、転んだ(笑)