王子様のみつけ方
第1章
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やっぱり、かっこいいなぁ。
少し茶色い髪の毛に優しそうな目元。1、2回まつ毛を上下させ、前を見据えて歩く男の子。
わたしと並んで歩くのには十分なほど背も高い。
あぁ、なんだか夢の中にいるみたい。
ずっとずっと憧れてた人がわたしの隣にいるなんて…。
「どうしたの?大丈夫?」
「だ、大丈夫っ…!何でもないよ!」
急に顔を覗きこんできた綺麗な顔に驚き、少しうつむいて返事をする。
「そっか」
ニコッと微笑むと、また前を向いて歩き出す男の子。
あぁ、びっくりした。
まだ全然慣れないや。
わたし、神崎莉乃[カンザキリノ]。最近1年以上も片想いしていた男の子と恋人同士になったばかり。
そしてわたしの隣を歩くこの男の子こそ、わたしの彼氏、西島雅哉[ニシジママサヤ]くん。
優しくて成績優秀。サッカー部では部長を務める、いわゆる優等生って感じかな。
どの学年からも男女共に人気上々。
そんな彼と高校に上がりたての春に同じクラスになって、まあ一目惚れ。
クラスをまとめたり、誰にでも分け隔てなく接する彼のこと、どんどん好きになっちゃって。
「何でつき合いたてのカップルが朝から無言で歩いてんだよ?」