隣人は高校教師
え、そうなんだ。
「コンプレックスとかってことかな?」
多分ね。と、陽菜は肩を上げて笑った。
その後は楽しくトークをしたりして、久しぶりに同世代の女子と話せて凄くストレス発散になった。
「舞って毒舌だよね!面白いからずっと喋っていれちゃうよー」
帰り際にそう言われ、素直に嬉しかった。
下まで送って別れると、玄関の前で彼が腕を組んで立っていた。
「…なんか用ですか」
せっかく楽しかった気分が急降下した。
「舞ちゃんって毒舌なんだ?確かに冷たいよね、俺に。」
盗み聞きか!
「えぇ、嫌いな人には優しくしないので」
「嫌いとかひでぇな、おい。
俺嫌いなんて言われたの初めてかもなー」
どうでもいい話をヘラヘラする彼に苛立った。
「どいてください」
「今さー人待ってんだけど、なかなか来なくて寂しいんだよね。
一緒に待っててよ」
はぁぁあ?
嫌いっつってんのに何言ってんだ、こいつ。
「嫌です。どうせ女でしょ?」
うん、とにっこり笑う彼を無理矢理すり抜けて鍵を開けて部屋に入った。
あー!!という声を背にイライラしながら靴を脱ぎ捨てた。