隣人は高校教師
お礼
「いいです」
「いいからいいから」
「本当にいいですってば」
「本当に本当にいいってば」
「だからっ!
いいって言ってるでしょ、しつこいっ!」
朝からこんな大声をあげるはめになったのは、爽やかな顔で私の後を付いて歩く隣人のせいだ。
朝、玄関を開けると全快したらしい隣人がにっこりと立っていた。
「あ、舞ちゃん」
いつからちゃん付けで呼んでいいと言った?
「うわっ、なんなんですか?」
「うわってひどくない?」
「…それで、なんなんですか?」
鍵を閉めながら聞くと、彼は明るく言った。
「お礼したいから、飯でも行こう!」
はい?
「…や、いいです」
「じゃあ、なんか行きたいとことかない?
して欲しい事とか」
「ないです。結構です。」
「冷てーなぁ、しゃあない!
じゃあ勉強教えてやる!」
頼んでないんですけど!
てゆうか勉強って…