隣人は高校教師


「勉強とか、大学の教えれるんですか?」

「大学卒業してるっつーの」

疑惑の目で彼を見る。

「とにかく、そういうの望んでないのでいいです。」

きっぱりと断ってスタスタと歩いていると、後ろから肩を抱かれて引っ張られた。
!?と相手を見ると、彼がニコッと笑って私を無理矢理車に乗せた。

「ちょ、なっ…なんなんですか?
何で車に…」

「仕方ないだろ、あんた頑固だから強引にいかせてもらうわ」

いつもニコニコしているのに、シートベルトを締める顔が妙に男の人っぽくてドキッとした。

どこに行くのか聞こうか迷っているうちに、見慣れた道に気づいた。

「…学校…?」

そう、という声に戸惑う。

駐車場に車を停めると、堂々と車から降りる彼に驚く。

「学生じゃないのにそんな堂々としてたら怒られませんか?」

「大丈夫でしょう。
ほら、行くぞー」

少し離れて歩くと分かる。
皆が彼に目を向ける。
シャツにジーパンなのにキマってしまう美貌が憎たらしい。



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