隣人は高校教師
かっこいい!なんて声があちこちから聞こえてくる。
黙ってればイケメンなのだ。
「…ていうか、何で私の大学知ってるんですか?」
後から気づいたが、彼にそんな事言った覚えはなかった。
「あいつと同じなんだろ?
俺受け持ってたから知ってんだよ。」
…本当に教師やってんだ。
絶対見えない。
仕事行ってるのとか見たことないし。
「あー、なんか大学とか懐かしいなー。
高校は毎日行ってるから飽き飽きしてるけど、大学のこの自由な雰囲気がいいよな。」
…まじらしい。
「来てどうするんですか?」
「…何しよーか」
何も考えてない事に落ち込む。
何しに来たの?
注目されるし落ち着かない。
早く帰ってくれないかな。
後ろから念を送っていると、クルリと彼が振り返った。
ギクリとして立ち止まると、爽やかな笑顔で手招きした。
「早く来いって!食堂どこ?」