隣人は高校教師


そこから、ちょこちょこ声をかけてくる女の子達がいたけど、さりげなくかわす佐々木さんはやっぱり慣れている。

「しっかし、勉強教える気になんねーな。」

「教えてもらう気なんて更々ないです。
目立つんで早く帰ってください。」

ブス、としながら答えると、突然腕を掴まれた。

「よし、行くぞ!」

えっ!?と言っている間に早足で食堂を出た。
陽菜は笑って手を大きく振っていた。


「どこ行くんですか!?」

「いーとこだよ」

こちらを見ないで答える彼に、いーとこって何?と不安を感じた。

車に乗り込み、走り出すも、行き先がわからない。
鼻歌を歌いながら運転する彼を横目に、もうどうでも良くなり窓の外をぼんやり眺めているうちに、眠ってしまった。

「舞ちゃん着いたけど起きれる?」

頭を優しく撫でられる感覚と優しい声に、はっ!と飛び起きた。

「ふはは、そんな慌てて起きなくてもいいけど。」

そう笑いながら、ポンポン、と頭を撫でる彼に思わず赤面する。
なにうっかり寝てるの私?
子供扱いされてるし、最悪…

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