隣人は高校教師

少し不機嫌になりながらも、辺りを見渡すと車だらけだった。

「…なんかのイベントでもあるんですか?」

「イベントって言えばそうかも。
おいで。」

手招きされ、少し歩くと一面にピンクの道が広がっていた。

「…桜…!
キレイ……」

桜並木が広がる道には、散った花びらで桜色の絨毯が出来ていた。
屋台も出ていて、人が沢山だった。

「どう?いーとこだろ。」

彼を見ると、嬉しそうに目を細めて笑いながら桜を見上げていた。
その横顔があまりにも絵になっていて、思わず見とれた。

「…いーとこでした。」

舞ってきた桜の花びらを掴んで笑うと、そうだろ?と笑い返す彼にドキドキした。

「家から見える桜もここには敵わねーよなぁ」

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