隣人は高校教師
???
なんで女子高生が?
不思議に思いながら自分の部屋の鍵を取り出していると、先生ー!という声に思わず顔を上げた。
ドアを叩いて、先生!と呼ぶ彼女に、彼の教え子だとピンときた。
教え子がなんの用?
なんで家を知っているのだろう?
まさか、高校生までも……?!
そんな事を考えるていると、ドアが開いて彼が出てきた。
学校帰りだからか、スーツのままだった。
こちらを見て一瞬目が合い、ドキリとしたが、いつものニコニコした感じではなく、冷めた表情に違和感を感じた。
「せんせ………」
「何しに来たんだ。
俺はお前の友達じゃないんだぞ。
家に来られると困るな。」
冷たい言葉に女の子は少し泣きそうな顔になる。
「…ごめんなさい。迷惑って分かってるんですけど…。
…どうしても私先生じゃないとダメなんです。」
この子…佐々木さんが好きなんだ。
しかし、彼は深くため息を吐いた。
「あのな、お前は俺の何を知ってる?
先生だから好きなんだ。
早くそれに気づけ。」