隣人は高校教師
ひどい!と泣きながらこちらに走って来た彼女とぶつかった。
その時に彼と目が合い、おかえり。と微笑んだ。
「…佐々木さんって結構キツイんですね。」
鍵を鞄から出しながら嫌味っぽく言うと、うーん。と唸った。
「だから言ったじゃん。
気持たせることはしないって。」
「生徒だから突き放したんですか?
もしもあの子が大学生だったら違いました?」
そんなこと聞いてどうするのか分からないけど、口から自然と出た。
一瞬考える素ぶりをして、こちらに歩いて来た。
私の持ってた鍵を手から取ってドアに差し込んだ。
ガチャリという音に彼を見上げると、微笑んだまま部屋に入った。
「ちょっ!!!
勝手に入らないでくださいよ!
私佐々木さんの事信用してないんですからね!」
「…もし隣人が高校生だったら、絶対関わってなかった。」
「でも今未成年の部屋にいるのもダメですけどね。」