隣人は高校教師


すると慌てた顔で、あっそうなの?と返した。

「佐々木さんっていってね、すごくかっこいいんだけど、女癖が悪くて大変なの。
だから気をつけてねって話しなんだけど。
…やだ、あたしったら噂好きのおばさんみたいね。
とにかくよろしくね、近藤さん。あたし日野っていうの」

はい、よろしくお願いします。と頷くと日野さんは優しく微笑んでくれてアパートへ戻って行った。

気をつける程女癖悪いって。
さっきの女性も彼女じゃなかったりするのかな?

ま、結局はただのお隣さんであって、あたしの人生には関係のない人だし。

ふぁ…とアクビをして、アパートへと戻って行った。

しかし、関係のないと思っていられたのも夜までだった。

お風呂に入り、テレビを付けて片手にアイスを持って至福のひと時を味わっていると、突然隣の部屋から大きな何かが割れるような音が聞こえた。

身を縮めて何も見えない壁を思わず凝視した。

な、何?!

「……によっ!!…さいてー!!」

微かに聞こえてくる高い叫び声に、修羅場が起こっているのだと悟った。







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