隣人は高校教師
誤魔化しの天才
自分の気持ち
叫ぶような声に思わず目を開ける。
またか…と壁を見つめる。
都内の部屋から聞こえる声は相変わらず耳を塞ぎたくなる。
うるさいなぁ、もう少し考えろっての。
あまりにも甲高い声に、不覚にも部屋の様子を想像してしまう。
どうやら、彼は基本的に毎回激しいらしい。
……………。
「何を考えてるんだ、あたしは…」
ポソ、と呟くと、布団を被って無理矢理目を閉じた。
朝、清々しい様子で見送っている彼の声に苛立ちを覚えている。
でも、文句を言いに行かないのには、この前の彼の言葉が引っかかっているから。
"俺の事気になってるでしょ?"
気にしたくなくても気になるでしょ!
「舞ちゃーん」
玄関から聞こえる声にビクッとした。
何だ?
恐る恐る玄関に向かうと、なんですか?とドアを閉めたまま聞いた。
「何で出て来ないわけ?」