隣人は高校教師
恋人

ギャップ



朝起きると、苦しいぐらいに後ろから抱きしめられたままだった。


何度も彼はあたしを抱こうとしたけど、ひたすら拒否した。
寝ぼけながらキスをしてきたり、服の中に手を忍ばせたり、癖なの?と思ってしまう行動にあたしはまだ不信感を抱いている。


動くと起こしてしまいそうで、そっと首だけ動かし彼を盗み見ると綺麗な顔で眠っていた。


思わず顔が綻ぶ。

安心した顔で寝てる…


ゆっくり姿勢を変えて向き合うと、気付いたのか彼が目を開けた。


「……起きた?」


「………うん…」

あたしの頬を優しく撫でて、フッと微笑んだ。
それがとてつもなく幸せな瞬間。


「おはよ。
…朝風呂入る?」

サラッと言うそのセリフに、突っ込みたくなる。


「入らないよ。
顔洗ってくるね。」


先にベッドから起きて洗面台に向かうと、眠そうな彼が後から来てあたしを後ろから抱き締めた。




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