閉じこめられた空間で
夏々は言う。
「今の前の父に暴力振られたり、彼氏に裏切られたり・・・。」
誠には、衝撃の事実だった。
そんな過去があったのなんて知らされてなかったからだ。
「私の人生は、不幸まみれなの。」
そう夏々が言うと、夏々は座り込んでしまった。
肩が震えている。
「だから・・・かまわないでください・・・。」
食事の時間。
夏々は同席しなかった。
「おじいちゃん。」
誠は、祖父に夏々のことを尋ねた。
「そうだったのか。」
祖父も初めて知ったようだった。
「だがな、真壁さんの父に私は彼女のことを任されている。」
「・・・え?」
「おいおい、五藤園さんどういうことだよ?」
駿太郎は尋ねる。
「彼女の両親は、自分の身に危険を感じ始めたんだ・・・。」
そういって、誠の祖父は話し始めた。