閉じこめられた空間で
私は、赤面しながらも名刺をケースに入れて
近くに置いてあったバッグの中に入れた。
「ていうかさ、夏々ちゃんって如月の人?」
「そうだけど。」
如月というのは、私の通っている高校だ。
私立如月女子高等学校。
私のすんでいたところで人気のある学校だ。
だからここらへんの人も知っているのだろう。
「遠いから大変だねー。」
駿太郎は笑う。
「いやいや大丈夫だよ。送迎だから。」
と、誠は平然とした顔で言った。
「送迎?!」
「え・・・?」
誠は、
「なんでそんな驚くの?」
という顔をしている。
「いいよ、ひとりで通えるし!」
私は遠慮した。
なんで送迎してもらわなきゃなんないのよ!
そりゃ、ありがたいけど・・・
高校生にもなってそんなことしていたら笑われるって話。
「いいよ。遠慮とか。」
誠は笑う。
え?遠慮というより、拒否なんですけど。
夏々はあきれた。
そんななか、駿太郎はまじまじと夏々を見ていた。
「目黒ちゃんとどっちが美人かなぁ。」