Nine
ひとしきりいがみ合った所で
私は首から下げているペンダントを見せた。
「なにそれ、……勾玉ってやつ?」
実絵は少し前のめりになりながら
私の手元を見て目を細めた。
それは暖かなベージュ色をしていて
小指の第一間接くらいの大きさ。
「うん。その時は子狐が首輪みたいな感じで着けてたんだけど。山に帰るときに置いていったみたい」
「首輪みたいって……。狐ってペットかなにかだったの?」
彼女の質問に、私は首を横に振る。