Nine



「住んでたところがド田舎だったから
近所の人のことはだいたい分かるし噂もすぐ広がるから
『狐を飼ってる』なんて一瞬で広がるはず、
だけどそんな話一切聞かなかった」


「ふーん。じゃあ、アレだ。狐に騙されたんだよ、千夜は」


「え、騙された?」


「きっとそれ枯れ葉かなんかだよ」


ニヤニヤと嫌みな笑みを浮かべて実絵は勾玉をつついた。



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