Nine


ふぅ。
ため息をひとつ吐いて

心の中でカウントダウン。


3、



2、




1、





0!



0と同時に駆け出す私。

大丈夫、絶対大丈夫。


後ろを振り返らないで
前だけ、見慣れた玄関だけを見つめて走れば、大丈夫。


そう、思っていたのに。




「逃げないでよ」


突然
そんな声が、

耳元で囁かれた。

< 9 / 14 >

この作品をシェア

pagetop