恋愛小説家
「…聞いてる?早川君は今週で契約う・ち・き・り」
私の視線が顔ではなくて、彼の頭…というよりは、髪にあることに気づいたのか。
アイパーはさっきと同じ事を少しイヤミを込めるように繰り返した。
「…あの…?なぜでしょうか…?」
アイパー…もとい編集長と絡み合っていないあたしの視線を
彼はしっかりと自分の目で私の目を捕えて、
わざわざ、ご丁寧にも私の苗字まで付けてくれたから。
私に、言ってるんだろうなって事は、分かった。
だけど、言ってる意味が私には理解できない。
と言うよりは、理解したくない。