愛は満ちる月のように
寝室のカーテンも書斎と同じ柄だった。

部屋のスペースは少し広いが、廊下を挟んで向かい合っているため、対照的な位置に窓がある。違うのは、書斎はドアを開けた正面が壁だが、寝室はルーフバルコニーに出る大きな窓がある点だ。


ほぼ部屋の中央に置かれたセミダブルのベッドに美月を下ろす。

黒のベッドカバーの上に横たわる美月の肢体にちらりと目をやり、悠は乱暴にネクタイを外した。

半裸になり、美月の上にのしかかる。


「やめたいなら早めに言ってくれ。男には、そこを踏み越えたら止めることのできないラインがある」


言葉をもなく見つめる彼女に、悠は声をかける。


「止めることの……? それって、今はまだ……やめられるっていうこと?」


悠の手がニットの上から美月の身体をなぞった。

Vネックの胸元に唇を押し当て、速まる呼吸を感じながら、背中から腰へ、丸みのあるヒップを辿って太ももへと下りていく。


「ああ……少し苦しいけどね。君に引っ叩かれたら、黙ってこの部屋から出て行く」


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