愛は満ちる月のように
美月は大きく深呼吸する。
「そうよ。あなたにはフラれちゃったし、次の恋まで待てなかったの。いつ離婚届けを出してくれたのか知らないけど、日本に出生届を出したら、あなたの実子になってしまうわね。そのときはまた面倒をかけるけど……」
「電話で話してたミスター・コリガンというのは?」
「は……?」
いきなり何を尋ねるのだろう?
美月は首を捻りつつ、
「ニューヨークにある精子バンクのひとつ、ファーティリティセンターの責任者兼コーディネーターよ。以前からいろいろ相談に乗ってもらっていて……」
「……その男はコリガン一族の御曹司なんだ」
悠はしみじみと口にしている。
「ええ、そうよ。だから、何? 何が言いたいの?」
「さっき僕を案内してくれた男性……ジュードだっけ、彼が言ってた。君がミスター・コリガンとデートしてるって」
「だから?」
「子供の父親がミスター・コリガンという可能性はないのか?」
引っ叩いてやろうかと思った。
悠は何が言いたいのだろう。
彼に『愛してる』と言ったその数日後に、他の男のベッドに飛び込んだと思いたいのだろうか?
そう言ってもらえたら、彼は満足なのか……。
「そうよ。あなたにはフラれちゃったし、次の恋まで待てなかったの。いつ離婚届けを出してくれたのか知らないけど、日本に出生届を出したら、あなたの実子になってしまうわね。そのときはまた面倒をかけるけど……」
「電話で話してたミスター・コリガンというのは?」
「は……?」
いきなり何を尋ねるのだろう?
美月は首を捻りつつ、
「ニューヨークにある精子バンクのひとつ、ファーティリティセンターの責任者兼コーディネーターよ。以前からいろいろ相談に乗ってもらっていて……」
「……その男はコリガン一族の御曹司なんだ」
悠はしみじみと口にしている。
「ええ、そうよ。だから、何? 何が言いたいの?」
「さっき僕を案内してくれた男性……ジュードだっけ、彼が言ってた。君がミスター・コリガンとデートしてるって」
「だから?」
「子供の父親がミスター・コリガンという可能性はないのか?」
引っ叩いてやろうかと思った。
悠は何が言いたいのだろう。
彼に『愛してる』と言ったその数日後に、他の男のベッドに飛び込んだと思いたいのだろうか?
そう言ってもらえたら、彼は満足なのか……。