愛は満ちる月のように
~*~*~*~*~
美月の仕事場である個室は管理棟に、そして私室は裏庭の一角、三階建ての宿舎の中にあった。
一階の角部屋、二間続きの日当たりのいい部屋だ。
彼女の大泣きに誰もが驚き、一時は飛んで来たジュードに悠は放り出されそうになった。
『なんでもないの。あの……主人が、私と子供のために仕事を辞めてここで暮らしてくれるって。それで、嬉しくて……だから、心配しないで』
美月がそう説明してくれなければ、本当に警察を呼ばれていたかもしれない。
そして、美月が落ちつくまで部屋で休んだほうがいい、ということになり……悠は彼女を抱き上げ、私室まで連れて来たのだった。
「あの、ごめんなさい。……私」
美月は悠に抱きついたまま離れようとしない。そのため、悠は彼女を抱えたままソファに腰かけた。
こんなふうに甘えられることなどなかった気がする。本当に受け入れてもらえたことを実感して、悠も嬉しくて堪らない。
思えば、他の何と引き換えにしても彼女を手に入れたい、それほどまで愛したのは初めての経験だ。
頼られることも、甘えられることも、全部受け止めて、自分の全力で彼女を守りたい。
そんな気持ちがこれほどまでに誇らしいことだとは知らなかった。
「重いでしょう? 結構体重も増えてるから……下りるわ」
「僕の膝の上は座り心地が悪い?」
「そうじゃないわ、でも……」
「じゃあ僕の上にいてくれ。一生、尻に敷いたままでもいいよ」
美月の仕事場である個室は管理棟に、そして私室は裏庭の一角、三階建ての宿舎の中にあった。
一階の角部屋、二間続きの日当たりのいい部屋だ。
彼女の大泣きに誰もが驚き、一時は飛んで来たジュードに悠は放り出されそうになった。
『なんでもないの。あの……主人が、私と子供のために仕事を辞めてここで暮らしてくれるって。それで、嬉しくて……だから、心配しないで』
美月がそう説明してくれなければ、本当に警察を呼ばれていたかもしれない。
そして、美月が落ちつくまで部屋で休んだほうがいい、ということになり……悠は彼女を抱き上げ、私室まで連れて来たのだった。
「あの、ごめんなさい。……私」
美月は悠に抱きついたまま離れようとしない。そのため、悠は彼女を抱えたままソファに腰かけた。
こんなふうに甘えられることなどなかった気がする。本当に受け入れてもらえたことを実感して、悠も嬉しくて堪らない。
思えば、他の何と引き換えにしても彼女を手に入れたい、それほどまで愛したのは初めての経験だ。
頼られることも、甘えられることも、全部受け止めて、自分の全力で彼女を守りたい。
そんな気持ちがこれほどまでに誇らしいことだとは知らなかった。
「重いでしょう? 結構体重も増えてるから……下りるわ」
「僕の膝の上は座り心地が悪い?」
「そうじゃないわ、でも……」
「じゃあ僕の上にいてくれ。一生、尻に敷いたままでもいいよ」