ヲタク彼女
 「じゃあな」
「おう!」
 牧と門の所でわかれると、ちょうど部活終わりの彼女と会った。
「今帰り?」
「うん。今日は早く終わったんだ」
 彼女は可愛く笑った。
 彼女のこの笑顔は犯罪だと思う。この笑顔で何か頼まれようものなら、何でもしてしまいそうだ。
「それで、明日どうする?」
「映画なんてどうかなーって思ったんだけど」
 良かった。普通だ。
「いいね」
「ホント!?あたしね、見たい映画があるの」
 まさか……
「洋画で恋愛映画なんだけど……」
 やっぱりあれは俺の思い過ごしだったらしい。
「いいよ。俺そういうの嫌いじゃないから」
「良かった。じゃあ明日10時に学校でいい?」
「わかった」
 そう言って、俺たちはいつもの交差点でわかれた。
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