ヲタク彼女
 担任からの差し入れを食べ終わった頃、外から何か嫌な音がした。
「……雨かよ」
「……やめてくれよ」
 それも土砂降りだ。
「俺、傘持ってきてないよ」
「確か先生に借りれなかったっけ」
「俺、チャリだからいらねーわ」
 あちこちからいろんなことが聞こえてきたので、仕方なく俺が数を数えて、担任のとこに借りに行くことになった。
「よろしく〜」
「うるせー」
 優しさのかけらもない奴らだ。
 それにしても、まだ生徒が残っていても、夜の学校というのは気味が悪い。
「ちゃっちゃと借りてちゃっちゃと戻ろう」
 俺は足早に職員室へと向かった。
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