もっと…
梓の後をずっと追ってると、梓は中庭の芝生に座り込み、お弁当を広げた。


独り寂しく……



アイツはいつも朱里だとかいう女と一緒だから、


ソイツとお弁当を食べるのかと思ったが


どうやら今日は独りみたいだ。



独りでお弁当を食べているその横顔は、何処か寂しそうで…


俺とかぶっている気がした。



だからか……



似ている所に、俺は惹かれたんだ。





俺は梓の隣に座り、暫く梓と他愛のない話をして…






梓の華奢な体を抱き締め……








梓に告白したんだ……。







告白は前にもしたが、あの時は梓に本気じゃなかった。


ただの獲物としか見てなかった。




なのに、寂しそうなその横顔に



心が奪われてしまった。





梓を俺だけのものにしたい…


俺の隣で無邪気に笑う梓を見てみたい。


独りじめしたい……




俺の独占欲が増していった。




フラれるのを覚悟して言ったのに、梓は………





「うん、いいよ…」
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