もっと…
凄く安心する。



伊東の匂いに、不覚にもドキドキしたんだけど…




私を抱き締めている人は、あの人じゃない。


そんなの分かってる。




だけど私は伊東を、その人と重ねてしまった。




梓は伊東の背中に腕を回し、声を押し殺して泣いた。



泣いている梓に気を使い、何も聞かず


ただ抱き締めている伊東。




なんか今日の伊東、優しい…。



ゴメン…伊東。



新妻先生と貴方を重ねてしまって…。



だけどね、まだ私の心の傷は癒えてないの。





だから、今だけは…





貴方を新妻先生と思っていいかな…?
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