もっと…
何を……言ってんだ、加藤…




「いいの?バレても…。バレたら先生も川瀬さんもタダじゃ済まされないでしょうね…?

…それでもいい訳?」



「……何がしたいんだ」



「何って。別に?

ただ、先生を独り占めしたいだけ…」




切なそうに…



寂しそうにそう言った加藤。



俺は加藤の事、生徒としか見えない。


だから、付き合うのは……。




でも、



それで加藤が

『新妻先生と川瀬梓が付き合っている』


って嘘をバラされたら…




少なくとも俺は、学校を移動する事になるだろう。



梓は停学か…。



最悪の場合、退学になるかもしれねぇな。



出来るだけそれは避けたい。


梓は、ちゃんと卒業して欲しいから。



こんな事、絶対言いたくなかった。




アイツ……泣くかもな…っ。




だけど…








「由紀…。好きだ」
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