もっと…
「梓…。それは言わない約束だろ?」



涼輔は眉をしかめた。



部屋じゅうに重っ苦しい空気が流れた。




「ゴメン…っ。私、部屋戻るね…」




梓は立ち上がり、ドアノブに手をかける。


すると、後ろから呼び止められた。




「梓。デート、頑張れよ…」




涼兄……っ。


梓は何も言わず部屋を出た。




“血の繋がらない兄妹”



私達は、そういう関係…。




私が7歳の時に父が他界して、

その3年後…つまり10歳の時、、母は涼兄の父と再婚した。




義理の兄だが、涼兄は私を本当の妹のように可愛がってくれた。


私はそれがもの凄く嬉しくて


私も涼兄を


本当の兄のように接している。



私達は、何処の兄妹よりも兄妹なんだ…って、胸を張って言えるわ。





それくらい、涼兄が大好きなの。


口では言いたくないけど…。



だって、そんな事言ったらあのバカ…



絶対に付け上がるもの。






大好きだけど、

大好きだからこそ



意地悪したくなるのよね…^^
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