もっと…
朝――

んー…っ。



梓はのびをし、カーテンを開けた。



げ…っ!!


どしゃ降りじゃない…。


せっかくのデートなのに……



でも、まさか中止じゃないわよね?


遊園地に行く訳じゃないし…。


梓はクローゼットから服を取り出した。


派手すぎず


地味すぎず。



可愛い系か、クール系かで悩んだけど…



私が可愛い系ってのは無いな…

と気が付いた。




で、結局いつもの感じに収まってしまった。



軽くメイクをし、一階に降りた。




「あれ?涼兄…。今日大学?」



こんな朝早くに涼兄に会うのは中々無い。




「いや。今日は勝負の日だっ!」



「またぁ~?アンタもいい加減にしなさいよ」



「うるせー!お前は良いよな~。彼氏とデートでぇ~」




涼兄の冷やかしに少し照れたが、無視して朝食を口にする。



涼兄は無駄に気合いを入れ、髪をセットしている。



…そんな気合いを入れなくてもモテるんだから、

ありのままの自分で決戦場に行けばいいのに……。
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