冷姫Ⅰ
「霧もこれから思い出つくっていけばいいの。ほら、すねないすねない。おいで?」
私が呼ぶと霧はギューっと抱きしめてきた。
こんなに甘えん坊だったっけ?
あぁ。きっと甘えたくても甘えられなかったんだよね。
「だめっ!雪っ!霧から離れて!」
銀がギャーギャー騒いでる。
碧はパソコンに夢中。
「雪。離れないとお仕置きな」
白がにらみながら言う。
白のお仕置きは怖い。
くすぐり地獄ってことだ。
「キャー」
こんな日々が続けばいいと思ってしまう私がいる。