隣に魔王さん。
寝室をでて、政務室もでてながーい廊下を二人で歩く。
「ねぇ、魔王さん。どこに行くんですかー?」
「ちょっとな。お前を呼んだのもこの為なのだがだいぶ時間がたってしまったな。」
どこかに連れて行くために、私を政務室に呼んだのらしい。
お昼寝なんかするんじゃなかったとは思わないけど。
――少し早く起きれば良かった。
そうすれば、もっと一緒にいれた?
邪な想いがよぎって余裕を無くさせる。
だって、だって、もしも認めてしまったら帰れなくなる。
離れられなくなるの、魔王さんの傍から。
たぶん、認めてしまえば楽になる。
だ け ど――――、
あっちにいるみんなの顔が浮かんで、帰りたいと思ってしまう。
だから認められないの、認めなくていいの。
「―――つか、なつか!」
「っぅはい!!」
名を呼ばれて慌てて魔王さんをみると不審そうにこちらを見ていてん?と首を傾げるとふっ、と笑われる。
そして目の前の扉に手をかける。
「ほら、ここが今日からお前の居場所だ。」
「え?………………う、わぁ、」
魔王さんの言った意味が分からなくて一瞬、魔王さんを見たけど視界に入った本の山に目を奪われた。