隣に魔王さん。
壁一面にびっしりと棚に入れられてる本に思わず呆然としてしまう。
「今日から、ここはお前のモノだ。」
「え?ほんとですか?」
「あぁ」
期待の入り混じった視線を向けるとふわりと微笑まれる。
「やった!」
早速、本の背表紙に手をかけようとすると、後ろからその手に重ねられては私の動きを阻止するみたいな形をとる魔王さん。
「何するんですかっ!」
「まずは勉強だ。ほら、お前はこっち」
指さされた方向をみると机に積まれた本の小さな山があって、冷や汗がタラリと背中を流れるのがわかった。
「この国の歴史書と、他国の歴史書、代々国王の名や王妃の名、また連なりのある貴族のくらいだな。」
「くらいって………横暴ですよ!!」
「恥かくのはお前だけどな。」
「っ、やりますよ!」
余裕綽々と言い切って、こんにゃろ。
やってやるよぅ!
と意気込んで本に向かったのであります。