隣に魔王さん。


そして、数時間後には嘆くことになるのだけれど。

とりあえず何とか魔王さんの言っていた本だけは読みました。
頭、パンパンですよ!



フラフラと足取りも朧気に本を直す。



こんにゃろ、出していくだけだしていきやがって。



魔王さんは何か用事があると言ってどこかへ行ってしまいました。
えぇ、いわゆる……ほったらかし、です!



せっせと重たい歴史書を元に戻す。
というか、私が読んだ歴史書は歴代王族の名前と領地を治める貴族の名前と国や地方の名前くらいしか書いてなくて少しだけ不思議に思った。


普通は、成り立ちとか神話とか建国神話みたいなのがあるのかと思ってたのに全く書かれてなかった。



この世界での普通と、私の世界での普通は違うけど。


「あと、一冊………」


んーと、手を伸ばして最後の本を直すふと、金色の文字が見に入った。


何故か無性に惹きつけられて手を伸ばす。けど、隊長!お助けあれ!
わたくし、背が届きませんっ!!


でも、諦められなくて。
手を伸ばして背表紙の一番下に触れて思いっきり引っ張ると………


「ひゃあっ!!」


本が落ちてきました。えぇ、どっさりと。
埋もれてしまったのは言うまでもありませんです。




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