隣に魔王さん。


「んっしょ………」


とりあえず、落ちてきた本は隅へ積み上げて。
椅子に座って読書タイムです!



黒というよりも藍色に近い下地に金の文字。
幻想的な星空が小さくおさまったよう。


そして、題名は


「星屑の願いに………」


神秘的で、切なくなる。
少しだけ懐かしいと感じるの。


パラリとページをめくると呪文のような言葉で始まっていた。


読み進めていくとデジャヴを覚えるような内容だった。






―――飛び降りた少女が異世界に来た、というお話。



仲間と、旅をしながら自分を見つけるの。



そんな、物語――――。





「………ま、たね。………か、」


パラリとめくったページに綴られていた少女の言葉を小さく呟く。



「”さよなら、は罪でしかないよ。“」


哀しげな少女が浮かぶ。
そう、さよならに何かを含めて。


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