隣に魔王さん。
側近さんが私を見る。
扉とかワケわからんがとりあえず帰れないことも、ここが違う世界ってこともよぉくわかった。
「………仕方無いですね。」
「……そうですね。」
側近さんと2人ではぁー、と溜め息をつく。
「わかりました。ですが、最低限度の生活と食事を保証してください。よろしいですか?」
「いいだろう。」
これでひとまず生活はできる。
私は王さまを見据えて…
「私の世界はちゃんと処理してきましたか?」
「………は?」
側近さんも王さまも衛兵さんたちもきょとん、としている。これだから自分の世界がこんな場所の人は………
「だから、法的手段をとっているのか、と聞いているのですか?」
「なんだそれは。」
………その口縫い付けてやろうかっ!
世間知らずのボンボンめっ!
私ははぁー、と息をついて。
腕を組む。くそ王め。
せーのっ。
「私の世界では、人がいなくなったら家族や友人が捜索願いというのを警察に出すんです。」
「だからなんだ。」
このボンボンはっ!
だから、知らないからなんだって言う人は嫌いなんだよ。
「だからですね。私の捜索願いを出されたら私としても胸が痛むのですよ。家族や友人が私の行方を捜して悲しむのは。だから、私がきちんとドコかにいます。だから安心してください。って感じのコトを家族や友人に伝えたいのですが、ここまではわかりましたか?世間知らずのボンボンの国王さん?」