隣に魔王さん。
__コンコン
扉をノックする音が聞こえて振り返る。
丁度ニナが応答にでているところで彼女の顔が険しくなってくるのがわかった。
「__なつかさま、ビクトリア様がお見えになられますが……」
「……ビクトリア?」
あぁ、あの爆乳か……。
何の用だろうか、嘲笑するためにきたのだろうか。
「お通しして……?」
笑って言うとニナは哀しそうに私を見てから恭しく一礼した。
暫くするとあの時よりは幾分かマシだけど露出の激しいドレスを着ている。
「ご機嫌よう、なつか様。」
私を見て嘲るような笑みを浮かべる。
確かに、今の私は外出を避けているために正装と呼ばれるようなドレスなんかじゃなく普段着に近しい少しだけ品のあるワンピースを着ている。
対して、爆乳女は常識を逸脱しているもののきちんとした正装のドレス。
赤を基調としながら体の線がはっきりわかるマーメイドドレスなのに胸元とか太ももが露わになっている。
明らかに、彼女の中で私は劣っているのだろう。
「今日はどういったご用件で?」
部屋主である私の許可も得ずに堂々とソファーに座る。礼儀をわきまえろと言ってやりたいところだけど生憎そこまで気力があるわけではないから。
「最近、陛下に会われまして?」
「……いえ、」
勝ち誇ったような表情に声色、私を見下していることがわかる。
「私、陛下のお部屋にお呼ばれしましたの。」
一瞬で肝が冷えた。