隣に魔王さん。
そんな私の変化にも気づかないのか、或いは気づいていて楽しんでいるのかわからないけど。
「陛下は荒々しくも優しかったですわ。」
うっとり、とでもいうのか。
昨日のことを思い出して今すぐにでも笑い転げたそうだ。
「私を、何度も何度も抱いてくださって……。あぁ、おかげで少しだるいのです。なつかさまもあれほどご寵愛されていたのですからこんなことは毎日だったのでしょう?」
卑しい笑いを顔に張り付けて此方を陥れようとする目の前の、汚い、穢い、ひとに……。
吐き気を覚えた。
「__なつかさま。」
ぐるぐるとまわる、気持ち悪さを我慢していたらニナが私をよんだ。ニナはいつも通りきっちりとした角度で腰を折ると、
「陛下がお呼びでごさいます。ビクトリア様には申し訳ありませんがお部屋にお戻りくださいませ。」
「……それは………本当なのかしら」
ビクトリアはぼそりと呟いて、そそくさと帰って行った。
しん、と静かになった部屋でニナが___
「ふざけんなっ!あの爆乳!!」
憤慨しておりました。
「なつかさまっ!今日は私のいうこと、きいてくれますよね?」
ニナの恐怖に負けてなにをするのかもわからずに頷いたのは、決して私のせいではないと云いたい。