隣に魔王さん。
■Ⅱ. お城で生活します。
部屋に着いてあるベランダに出て風に吹かれています。
異世界に来てしまった私です。
入道雲が立ち上る青空を見ながら、溜め息を溢す。
「暇だ」
この異世界に来てから数日というもの………ずーっと部屋にヒッキーしてます。
ってかヒッキーしろ、と命令されました。はい、あの魔王さんに。いくら私がよく寝る子でも一日中寝るのはさすがに嫌なのですよ。暇になるのもわかりますよね…?そろそろ何かをしたいと思いつつ何もできない今日この頃…。
しょうがないから、部屋にある簡易キッチンで紅茶を淹れる。
ここに来てから毎日、紅茶を10杯飲んでます。だって暇なんだもん。お腹たぷんたぷんだよ。
いっそのこと抜け出すか。なんて頭の隅をよぎったがあの魔王さんに知られたらたまったものじゃないので…。却下。
「どうしよー……」
「なにがだ?」
ぶーーーーーッ!
椅子に座り、紅茶を飲んでいた背後から声をかけられて心の中で紅茶を撒き散らす。セーフッ!
「まままま魔王さんっ!」
「何をそんなに焦っているのだ?」
眉を潜めながら私に近づいてくる魔王さん。
やめてー、こないでー、
なんて口が裂けても言えません。
「にゃーんでもないっす!」
ビシリッと敬礼つきで応えてやったのに失礼極まりない魔王さんは阿呆、と言って私の頭をチョップしたのだ。
おい、こら。喧嘩売っとんのか?等と言いたいところですが、さすがにヤクザでもヤンキーでも私は無いので。そんなこと滅多にしか言いません。でも言うやないか!とか突っ込まないでね。わかってるから。