隣に魔王さん。
―――ッドサ、
最後の1人が倒れたとき、拍手が起こった。
「………あり、」
何故にそんなにギャラリーが?
ってか、強面がたくさんなんですけどー!
「なつか様っ!!」
強面さんたちを押し退けて、ニナがこちらに走ってくる。
そういえば、道端でナニヲヤッテタノダロー。
「お怪我はっ!」
「ないよー。」
ヒラヒラーと緊迫感丸出しのニナに手をふる。
こんな奴等にひけをとるほど鈍っちゃおらんよ。
くるり、と一周私の周りをニナが回って手についた掠り傷を見つけやがった。いえ、見つけました。
「!!っあるじゃないですかっ!」
擦りむいている私の手を優しくニナの温かい手で包んで、痛々しく私を見る。
「怪我が少しだからよかったものの………」
―――なつか様に危害を加えようとしている人もいるのです。
ニナが泣いているように見えた。涙なんか見えないのに、ニナがないているように見えた。
「―――ごめんね、ニナ。」
ギュッと、私の手を包む力が強くなる。