隣に魔王さん。
―――それで、
とニナの声が一段低くなったと思ったらニッコリ、と笑顔で聞かれた。
「コチラで伸びていらっしゃる不届きものはなつか様に何をなさったのですか?」
に、ニナさん…?
こ、怖いです…。
「……えっとですね。道を歩いていたら声をかけられまして、丁重にお断り申し上げましたら何故か竹刀を持たされて俺たちが勝ったら好きにしていいよな。と何故か言われ、竹刀を振り上げかかってこられたのでお相手したまでです。」
そーいえば、意地汚い気持ち悪い笑みを浮かべてジロジロ見られたー。キショッ!!!
「へぇ、なんとまぁ。城内にそんな馬鹿がいたとは。
―――どうなっているのですか。エリダ殿」
私の方を向きながら、違う方向へと話しかけているニナ。
スッと、その言葉に誰かが此方へやって来る。
「その少女には、悪いことをしたな。そいつらは成り上がりの貴族だ。すまん、本来ならこの場所は城に住んでいる者以外は入れないのだが………。」
「警備兵、前へ。」
言い澱んだ強面&ワイルドイケメンのエリダさんに早々に見切りをつけたニナが鋭く声を発する。
いつもみたいに温かい声色ではなくて、刃物みたいな声を発する。