隣に魔王さん。


おずおず、と前に足を進めニナの目の前に立つ警備兵…さん?


あっれー、この人たちさっき見たぞ。


んー、と頭を捻らせてたらはた、と思い出してニヤリ。と笑う。


「お前たちの仕事は?」


低い声で警備兵を咎めているニナ。そんなニナの肩に手をおいて一言。


「ちょっと、いいー?」

「なつか様…?」


ニナが少し不思議に思いながらも後ろに下がる。
うー、近くにくるとみなさん背がお高いことで。


「ねぇ、警備兵さん。私ね、見てたんだよー?警備兵さんたちが居眠りしてたのー。」


えへへー、と笑う私に真っ青になっていく警備兵さんたち。


「その横を笑いながら通るヘナチョロたちも見てたよー。疲れてるのか何なのか知らないけど、お仕事ならちゃんとしないとー。ね?駄目だよ。私がここに来なかったら今頃どーなってたかな?」


城に入り込まれて何かを盗まれていたかもしれない。実際、私の部屋もここから遠くない。まだ、何もわからない私だけど、この先に何かがあるような気がするの。
緑が生い茂っていて、ポカポカする陽気でこの一帯を包んでいたとしても、何かが気味が悪い空気がすこし混じってる。


それを守るための、警備兵さんたちなのかもしれない。




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