隣に魔王さん。
「だからね、?」
―――バシュッ、
手に持っていた竹刀を横一直線に振り抜く。
2人くらい軽く飛ばせる感じで振り抜くと、思ってたよりも飛んでってしまった。
ま、鍛えてるらしいしいいや。
「てめぇの任された仕事くらいちゃんとやれや。んなもん、ったりめーだろ。そんなんもわからんのか屑が。赤ん坊からやり直してこい、ハゲ。」
ニッコリ、と笑って言ってやる。女がみんな弱者だと思ってるから油断する。腕力では勝てないけれど、油断をついて私は反旗を翻すのだ。
「……な、なつかさま?」
ニナが困惑したように私の名を呼ぶ、でもね、こんなんなんてことないよ?
だって、
「――だから、私が鍛えてあげる。」
言葉なんて信じるに値しない。口約さえ忘れてしまえば無かったことになる。
体に叩き込ませるのが一番、なんだから―――。
「――は?」
エリダと呼ばれていた人がすっとんきょんな声をあげる。
ニナも口には出さないものの呆然としている。
「悪い話じゃないと思いますよ?貴方たちは体たらくを直せて、尚且つ今見たところでは私よりも剣筋が遅そうですし、
それに私はこれで、外に出る口実が出来るし。一石二鳥でしょう」
にっこり、と笑って言う。今ので若い連中が頭に血が上ってるはず。
だから、最後の一押し―――。