隣に魔王さん。


いー匂いしてきたぁー。
これは成功かな!


ふんわり、と空気が入るように高い位置から淹れる。


ニナが茶器を用意していてくれたのでありがたい。


「まおーさーん、持ってきますけど、いーですか?」

「ん、」


短い返事でわたくし、多少不服ですが2人分のお茶をお盆に乗せてこぼさないように運ぶ。


「はいっ、どーぞ!」


自信作、なつかスペシャルブレンドブルーベリー&アプリコットですよっ!!召し上がれっ!!!


魔王さんの向かいのソファにぼふ、っと座る。ワクワクしながら魔王さんの感想を待つ。


「どーですかっ?」


こっちに来て初ブレンドなのですよっ、魔王さんっ!!
急かすように感想を聞くと、
苦笑いで待て。と言われむぅーと思いながら待つ。


「………美味いな。」

「!!っでしょー!?スペシャルブレンドなのですよっ!!」


意気揚々と話す私を尻目に何かにサインしていく魔王さん。
ニヤリ、としていた魔王さんに気づくはずもなく私は美味しいと言ってくれたことに、喜んでいた。



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