隣に魔王さん。


叩かれた頬を擦りながら、令嬢ずの逃げた方向を見ていると肩を叩かれた。


「!スヒィーさんっ」


艶やかな笑みで私を見るスヒィーさんがいらっしゃいました。


「ごめんなさいね、止めようと思ったのだけれど……。」

「大丈夫ですよっー?あんなのへ、でもないですからー」


えへへ、と笑うとスヒィーさんに抱き締められた。


「やっぱり、なつかは可愛いわぁ。」


嬉しいのですが、あまりきつくされるとお腹の中身がでそーです………。


「これ、スヒィーよ。私にもその勇敢な少女を紹介してくれんかね?」


優しいアルトの声が聞こえて、スポンッとスヒィーさんから、抜け出す。


「はじめまして、なつかと申します。よろしくお願いいたしますわ」


ドレスの裾を持ち上げて軽く膝をおる。


「スヒィーの父の、フラット・ニストル・ジブラルタル。よろしくお願いするよ」


ダンディーなおじ様ですっ!
そこらへんにいるへっぽことはオーラが違いますよっ!


「はいっ!」


もー、ドレスでなければ敬礼したいほどですっ!


「ジブラルタル公爵っ!」


周りの人がざわざわっとしてからおじ様の名前を呼ぶ。
でも、おじ様はそれに気にすることなく私にも周りにも衝撃的なことを言ったのであります。



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