隣に魔王さん。
私がえ、となっていると肩に手が置かれた。
「なつか、」
聞き慣れた、あの声。
この世界で無条件に安心できるひとの声。
「まおーさん…?」
「これは、これは、陛下ご機嫌麗しゅうございます。」
「よい、ジブラルタル公爵。今の話はありがたく受け取ってもよいのだな?」
「えぇ、この少女の話をスヒィーから聞いていたときから思っていたのだよ。」
柔らかな笑顔で私を見る。
既に、スヒィーさんの隣にはエルさんがいて寄り添っている。
「では、一応口約と言うことでよろしいですか?」
「あぁ、エルか。スヒィーをよろしく頼むよ、」
――じゃあ、また後日城に伺わせてもらうよ。
と、私に確認する暇ももたせてくれずに颯爽と出ていったのだ。
「まお………」
「陛下におかれましてはご機嫌麗しく、」
魔王さんを呼ぼうと思ったら、若い男の声に遮られた。
綺麗な金髪に碧目。
私の世界にいた外人さんの容姿に似ている。
親近感が湧きましたっ!
私の近くにもいたのですよっ、生まれは日本でも両親が金髪に碧目の外人さんで、とっても綺麗なひとだったのです。