隣に魔王さん。


「………うっ………」

「!よかった………すいません。つい、癖で。変態の人には無意識にでちゃうんですよ。だから、その口縫い付けた方がいいと思いますよ。」

「…………」


わぉ!固まってるよ。今時、これくらいで固まってるよ!

※良い子の皆さんは真似しないでください。運悪く刑務所にぶちこまれるか家庭裁判所に送り込まれる危険性があります。



あら、よく見ればイケメン。
ってか、なんか奇妙な服を着ている気が…………


「……っふ、気に入った!」

「は?」


え、なに、なんていったかわからない。

キニイッタ、きにいった、気に入った、

え、私の思ってる意味と違う意味?


変態は微笑みを浮かべながら…
いやいや、ふつーにカッコいいんですけど。
黒い髪に珍しい銀灰の瞳、キリッとした眉毛にすこし薄い唇。
どこか怖い印象もあるけれど、微笑みを絶やさなければ女は落ちる!私はそこまで面食いじゃないんで落ちませんが。



「お前、名は?」

「………生憎、あなたの様な人に教えるような名を持ち合わせておりません。」

「………ふ、まぁいい。後でじっくり聞くしな。」

「はい?後でなんてもうありません。金輪際会うこともないでしょう。さような………ひゃっ!」


ら、を言う前に変態に腕を引かれ、気づけば変態の腕の中。





< 6 / 127 >

この作品をシェア

pagetop