隣に魔王さん。


もぞもぞ、と私も一緒に入る。
ってか、うるさいですよー。


「おやすみなさい。」


もぞもぞと動いて、ピトッと魔王さんにくっつく。


「………っな!!」


なんか、魔王さん。
うるさいですよぅー。



ひとの温度、というものは非常に眠りに落ちやすいらしく、私はウトウトと微睡んでいた。




私がひっつくだけだったのに、力強い腕がキツく背中に回されて少しだけ苦しくなった。



けど、それ以上に温かくて。



頭髪に何か温かいものが押し付けられて。
ふと、幸せな気持ちになった。






――― 、あいたい。





穏やかな昼下がり、魔王さんとふたり。


温かさを共有しながら、眠りに落ちた。



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