隣に魔王さん。


痴漢痴漢ちかーーーん!
お巡りさーん!ここに変態痴漢オヤジがいますっ!助けてーー!!

「人を痴漢呼ばわりするな。それに抱き締めただけだ」


ぎゃーーーーーっ!!
こいつ私の心読みやがった
ちなみに私、異性に抱き締められたの初めてなのですよ。はい、だから当然パニックに陥るわけで、

「はなせ――――――!!!!」

思いっきり暴れてます。


「ぅお!危ない。掴まっとかないと落ちるぞ。」

「落ちるってなん…………!!!」


ポッカリ、地面に黒い大きな穴ができました。
そして次の瞬間…


「ひぃやぁああああああ!」


落ちていきます。穴の中を。



ナニコレナニコレ!
何のSF小説!?ってか現実!?夢!?誰か、


「夢だと言ってぇえええええ!!」

「うるさい、黙れ。」

「これが、黙っていれるか!」


こんな状況なんて夢世界か小説の中だけであって、かの有名な不思議の〇〇〇みたいに落ちていくことってあり!?


「少し黙れ。」

「何でっ………あん…た…に…」

なんでだろう。スッゴい眠い。
落ちていく感覚も忘れて眠気が急に襲ってくる。
呂律も回らなくて、閉じていく瞼を必死に堪えながら、変態を見る。


「………なんで………」


私はその一言を呟いて、意識を手放した。
変態が私をドコヘ連れていくかなんて知らずに____






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