隣に魔王さん。
***
「わっきゃーっ!!」
はしゃぐ私を見るニナの目が生暖かい……。
「なつかさま、行きましょう。」
「っうん!」
差し出された手を握って賑やかな城下町を歩く。
残念ながら、魔王さんは来られなくて。ネックレスを手放すな、と執拗に言われたのだけど。
「何から、みます?」
庶民御用達の服装に着替えた私たち。
以外と、日本の服装とあまり変わらないのですよっ!
いかにも中世な感じじゃなくて女子はスカートが主流だけど長さはバラバラ。堅苦しくもなく、貧しいって感じでもなく、普通に日本でも着られそうな感じ。
ちなみに、私は膝丈のワンピースに外套を羽織ってます。
何やら、外套があっても別に不自然じゃないからあまり姿を見られないようにっていうことらしい。
「ねぇ、ニナ?私もあんな感じの普段着が欲しい。ドレスとかじゃなくて………」
ニナの服の裾を引いて、指差す。そこにはあまり高そうでない普段にでもきれるような服が置いてあるお店。
ニナは少しだけがっかりした顔をして笑った。
「軍資金、はたんまり頂いてますし。」
にっこり笑って私が指差したお店へ歩き出した。