隣に魔王さん。
「な、なつかさま?!」
私が泣いてるの見てオロオロ焦りだす。
そんなニナが可笑しくて可愛くて。
「ごめん、ありがとう。」
泣きながら、笑った。
「ふふ、じゃあお会計してきますね。」
ニナは私の頭を優しく撫でて、会計に行きました。
ぐすん、なんか嬉しいんですよー。ほんとは交わることのないひと、だったのに。
――こうして笑い合えるなんて。
「あ、ニナッ!茶葉とお菓子の材料買わないと!」
会計から戻ってきたニナに思い出したことを伝えるとニナはわかってたように笑ってコチラです。と案内してくれる。
なんか、茶葉専門店とお菓子の材料のお店が隣同士にあるから焦らなくてもいいらしいです。
「もうすぐ、夕の刻ですからこの買い物が終わったら帰りましょうね。」
「うんっ!」
灯火がつきはじめて、紫色の夕陽は未だに慣れず目を細めた。
幻想的な風景は、夢の中じゃないかと思わせるくらい。
「陛下も心配していますわ」
「魔王さん、過保護だもんねー。」
ニナはコチラを見て何か意味深な含み笑いを見せた。
「あ、ここです。」
そうして、一番楽しみな時間が訪れたのです。